土壌汚染の状況把握、汚染による人の健康被害の防止を目的とした法律として「土壌汚染対策法」があります。
土壌汚染対策法には、
●土壌汚染調査の義務
●汚染発覚時の対処(措置フロー)
●汚染区域に対する指定(台帳への記載)
●対象となる特定有害物質とその基準値
●調査機関や処理業の許可制度の制定
などが定められています。
※ダイオキシン類については環境基準「ダイオキシン類対策特別措置法」にて明記。
土壌汚染対策法では以下の場合において調査義務が課せられています。
法律による調査の場合、予め環境大臣によって指定された「指定調査機関」によって調査されなければなりません。(条例の場合も同様)
特定施設のある敷地の所有者、管理者又は占有者は、施設使用を廃止した場合、その使用廃止時から120日以内にその敷地を調査し、結果を該当する都道府県知事に届け出なければならない。
※特定施設とは水質汚濁防止法第2条、第2項において規定されている施設で、土壌汚染対策法で定められる有害物質を製造、使用、または処理する施設。
900㎡以上の土地の形質の変更を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
土地の形質の変更を行う範囲で土壌汚染状況調査を行う。
900㎡以上の土地の形質の変更を行おうとする場合、変更に着手する日の30日前までに都道府県知事に届け出なければならない。
※汚染の恐れがある場合は、土壌汚染状況調査を命じられる。土壌汚染により人の健康に被害が生ずるおそれがあるものとして都道府県知事が認め、調査・報告命令を土地の所有者等に出された場合は調査義務が発生する。
※場合によっては都道府県知事が自ら調査をすることも可能土壌汚染対策法における調査によって汚染状態が指定基準を超過した場合、その区域は都道府県知事によって「要措置区域」と「形質変更時要届出区域」とに分けられます。また、形質変更時要届出区域は適正管理区域、自然由来特例区域、埋立地特例区域、埋立地管理区域に区分されます。指定された区域はそれぞれ台帳に調製されますが、それぞれの区域において汚染の除去が行われた場合は指定が解除されます。
自主調査において土壌汚染が判明した場合、土地所有者等はその土地に係る所有者等全員の合意を得た上で、都道府県知事に区域の指定を申請することができます。指定された区域は土壌汚染対策法に則った形で対応されます。
要措置区域 | 形質変更時要届出区域 |
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区域 | 定義 |
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(適正管理区域) | 人為的な特定有害物質により汚染されており土地の形質の変更をしようとするときの届出をしなければならない区域 |
埋立地管理区域 | ①公有水面埋立法に基づく埋立て又は干拓により造成された土地であり、かつ、都市計画法に規定する工業専用地域内にある土地 ②公有水面埋立法に基づく埋立て又は干拓により造成された土地であり、①と同等以上に将来にわたって地下水が飲用に供されない可能性が高いと認められる区域 |
自然由来特例区域 | 第二種特定有害物質(シアン化合物を除く)による汚染状態が専ら自然的条件からみて土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しない土地 |
埋立地特例区域 | 昭和52年以降に公有水面埋立法による埋立て又は干拓事業により造成された土地であり、かつ、専ら埋立て用材料により当該区域内の汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しない土地 |